ポケモン・7世代の個人的構築理論
閲覧ありがとうございます!
今回は、私がポケモンの7世代レーティングバトルにおいて試行錯誤の果てにたどり着いた理論、その経緯について書き記しておこうと思います。
この理論は、「サイクル戦で勝つための理論」です。また、この理論は抽象的なものであるため、8世代についても適用可能なのですが、ここでは一応7世代限定のものといたします。理由は後述。
この理論に基づいて作成された構築について、すでに記事を書いてありますので、ご一読いただけると幸いです。
はじめに
さて、この理論は、結論を簡単に言えば、「受けポケモンが不利対面を作らないようにしよう or 最低限の受け性能がある攻めポケモンを使おう」というものです。
この結論に至った経緯を、以下に書いていこうと思います。
経緯
ポケモンを始めて間もないころ、私は先人たちの築いてきた考えに基づいて構築を作って、それを使って対戦を行っていました。具体的に言えば、私は相性補完や役割理論(≠役割論理)の信者でした。よって、初めに浸かった構築はサザングロス。しかも、「並び単位で対策する」という考えもなかったので、技構成はその時々に重いと感じたポケモンに有効な技を付け焼刃のように搭載していくばかりでした。技構成のカスタマイズ性の高さの観点でも、サザングロスは最適な並びでした。そして、これでそこそこ勝ててしまったばかりに、相性補完や役割理論的な考えに妄信的であるまま数か月か経過してしまいます。
相性補完に疑念を抱き始めたきっかけは、ちょっとした企画で、友人の開いた大会に参加したときのことです。私は、それまでと同じく相性補完で構築を組もうとしました。そこでたまたま、「電気・エスパー・格闘」あたりに耐性のあるポケモンが欲しいと思い、HDネンドールを採用しました。
このHDネンドールがガチでクソ弱かったおかげで、私は成長への階段をようやく一段昇り始めることができたのです。
大会当日、私は意気揚々と相手のカプテテフにネンドールを後投げしました。しかし、ネンドールはあの見た目で実は火力があまり高くなく、ネンドールに対してメガリザードンYを後投げされてしまいました。そして、こちら側はリザードンYに後投げできるポケモンがいなかったので、すぐさまサイクルは崩壊。その後リザYは処理したものの、テテフを受けられるポケモンがおらず、試合はそのまま負けてしまいました。
特に感動的な出来事があったわけではなく、これだけです。しかし、この事例を抽象化すれば、攻めポケモンに適当に組み合わせただけの受けポケモンが持つ本質的な問題点が見えてくるはずです。すなわち、受けポケモンは、受け性能は十分あったとしても、火力などの牽制力が弱く、相手の攻めポケモンを容易に後投げされてしまうという問題があるのです。
理論化
具体的な例を使って説明してみましょう。こちらのポケモンは攻めポケモンのボーマンダ、受けポケモンのナットレイ(他にも、グロスグライポリ2のような並びを想像していただくとわかりやすいかもしれません)。まず、こちらのボーマンダがたまたま不利対面をとってしまったとします。ここでは、環境に多いリザテテフのテテフなどを想像してみたいと思います。この不利対面の退き先として連れてきたナットレイを後投げします。ナットレイは受け性能は高いですが、牽制力が低く、相手のリザードンを簡単に後投げされてしまいます。そして、相手は一貫しやすい技を撃てば、それだけでこちらのサイクルには大きな傷が生じます。
では、このナットレイが、例えばギルガルドだったらどうでしょう。ギルガルドにリザードンを後投げするでしょうか。する人もいるかもしれませんが、ゴーストZやかげうちのことなどを考えれば、安心して後投げすることはできないはずです。これならば、逆にこちらのギルガルドが有利対面を作ったのちに、相手のサイクルに負荷をかけることも可能となります。もちろん、マンダナットの裏にはヒードランがいたり、リザテテフの裏にはカバルドンがいたりしますが、理論的なモデルとしては私が言わんとしていることが理解していただけると思います。
私は、攻めポケモンと受けポケモンとを組み合わせること自体がだめなことだとは思いません。しかし、役割対象別にパズルのように攻め駒と受け駒が組み合わせられるばかりで、サイクル戦の中で具体的にどういう動きをしていくかということについては、あまり考えられてこなかったように思います。
さて、この問題の解決法は、先程のマンダナットvs.リザテテフの例でみたように、「受けコマにも火力(牽制力)を持たせる or 攻めポケモンにも受け性能を持たせる」という方法が有効であろうと思われます。他にも、釣り交換でなんとか受けポケモンがふり対面をとらないようにするという方法もあります。ロップグライムドーやゲンガヌオーカグヤなどで結果を残せている方は、その能力が非常に長けているのでしょう。しかし、私はやはり自分のプレイングや体調で勝敗がされるよりは、構築段階での仕組みづくりを徹底した方がよいと感じたので、この理論に落ち着きました。
構築への適用
そして私は、圧倒的数値を誇り、最低限の受け性能を持った攻めポケモンとして「マンダガルド」を、受けポケモンの牽制力として「欠伸・後攻蜻蛉・キノコの胞子」に特に注目しました。
その結果生まれたのが先程の「7世代個人的結論パ」です。マリルリの枠が挑発レヒレなどではなくマリルリである理由は、ミストフィールド下では欠伸が牽制となりえないからです。モロバレルを「王」と称した理由は、環境トップのミミッキュ・ランドロス・激流ゲッコウガ・コケコ・レヒレあたりに後投げできて、キノコの胞子で牽制力が十分に確保されており、回復技を押さずとも再生力で回復できるという点が極めて魅力的に感じたからです。
7世代限定のもと考える理由
最後に、この理論を7世代限定なものと考えた理由を書こうと思います。この理論は、まったく新しい可能性を切り開くというものではなく、既存の理論を否定するというものでしかありません。つまり、理論的な観点から、使用できるポケモンを制限することしかできないわけです。7世代は、こうした制限に十分耐えうるだけのカードプールがありました。しかし、8世代はそうではありません。従来の半分程度の数のカードプールの中で、望ましいものでなかったとしても、何とかやりくりしていくしかないのです。
また、この理論の大前提には、前述の受けポケモンがかかえる問題点を、構築段階で解決しよう、という考えがあります。しかし、8世代においては、カードプールの減少やダイマックスの全対応の難しさにより、プレイングでの解決がより志向されるようになったように感じます。プレイングですべて安定して解決しようとするならば、この理論は全く必要ではありません。以上が、私がこの理論を7世代限定のものだと考える理由です
終わりに
ここまでみていただき、ありがとうございました。私の説明が不十分なこともあり、最後まで理解できなかったという方もいらっしゃると思います。7世代で対戦する機会はもうめったにないと思いますので、私も特に理解してもらおうという気もありません。もしもこの記事を見ている方が、今後もポケモンを続けていくならば、私の考え方が少しでもその方の助けになれば幸いです。